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ライフプランをつくろう
自分の5年先、10年先の生活を思い描いたことがありますか?
「そんな先のことはわからない」「もちろんしっかり自分のやりたいことは決めている」とみなさんいろいろだと思います。
さて、ここしばらくでライフプランという言葉を耳にするようになりました。そもそもライフプランってなんでしょう。ライフ=生活? プラン=設計? なんて訳すと分かったようで分からない。簡単にいうと人生の設計図ということでしょうか。
ではなぜライフプランが必要なのでしょうか。そもそも今までこんな言葉などなかったのに。
少し前までは会社が終身雇用で、さらに毎年あたりまえのように給料が上がる年功序列制度がありました。
一度会社に勤めればよほどのことがない限り、その会社で定年まで働き、退職金をもらい、銀行や郵便局では金利も高く、預けておけばお金は増どんどん増やしてもらえました。また60歳になれば国から年金がもらえ、60歳以降は「余生」なんていって、好きなことをして楽しむ時間でした。
ところが、今は会社の終身雇用はくずれ、年功序列どころか、成果主義を導入してお給料が減ってしまうこともあります。
それぞれが自分の力で生きていかなければいけない時代。これが自己責任の時代です。責任を取るためには様々な知識が必要です。安全な商品を選ぶ知識や目、世の中の制度や利用方法、ローンや家計の管理の方法。それらがあって初めてライフプランができます。
ライフプランはキャッシュフロー表をメインに作成します。20年、30年、50年と長期の予定を全て書き込み、予想される収入、支出(生活費、保険料、住宅関連費、イベント、車の買換えなど)を数字で書き込んでいくといろいろなものが見えてきます。
これから少しずつ自分だけのライフプランを作るお手伝いのために様々な制度やしくみをお知らせしていきます。
このコラムを活用してくださったみなさまが、安心して楽しい毎日を送ることができますように。
キャッシュフロー表の作り方
これからキャッシュフロー表の作り方を説明します。まずはファイルをひらいてみてください。
キャッシュフロー表の作成 – ライフプランのシミュレーション
入力シートを開いて現在の年齢、年収、生活費、住居費、貯蓄額などを入力します。
ここに入力をすると自動的にキャッシュフロー表に反映されます。
入力シートの入力方法は順番に説明していきます。
入力シート
キャッシュフロー表
それでは内容を細かく見ていきましょう。
キャッシュフロー表には簡単にいうと収入と支出が時系列に並んでいます。これは数十年単位で書かれています。
まずこのキャッシュフロー表で注目する点は一番下の貯蓄残高です。これがずっと黒字であれば何の問題もなく、今後の人生を送ることができます。しかし、途中でマイナスになる年があったらそれは要注意です。なぜならそれは家計の破綻を意味するからです。
家計の破綻には理由があります。子どもの教育費がかさむ、家を購入して思ったより固定費が増えてしまったなど支出が多くなってしまったときです。車の買換えや旅行なども原因かもしれません。実は今はほとんどの家庭がこのキャッシュフロー表を作ると赤字になってしまいます。どうしても私たちは目の前にお金があったり預貯金の残高があればあまり心配をしません。ところが子どもが大学生になると、毎年100万円を越す支出が続き、あっという間に貯蓄がなくなるということが多いのです。そこでこのキャッシュフロー表が力を発揮するのです。それにより赤字の原因がひと目でわかります。
それが分かれば対策が打てます。10年後に赤字になる。それも数年間で500万円の赤字になるということが分かれば、今から年間50万円ずつ準備をしていけばよいのです。例えば、車の買換えの費用を200万円にしていたのを100万円にする、毎月の支出を少し減らす、あるいは妻が働いていなければとりあえず年間80万円ぐらいのパートに出てみるなどです。早く気がつけば気がつくほど手段がたくさん選べます。それも無理のない方法を見つけることができます。これが直前だともう方法はお金を借りるしかなくなってしまうのですが、借りたお金は利息をつけて返さなければいけないので、結局余計な支出が増えてしまうのです。
このように長期のキャッシュフロー表を作成するメリットはたくさんあります。今まで気がつかなかった今後の支出なども把握できるので、今自分たちが何をしなければいけないのかということがわかってきます。
さてそれでは具体的な作成方法を説明します。
入力シート
収入
給与・・・ここには手取り額をいれます。年収だと税金や社会保険料など手元に来ないお金が含まれているので、まずは手取り額を書いてください。もし今後給料が上がるような見込みがあればそれを加味して増加率を入れてみてください。(収入の増加率は低めに見積もることがポイントです)
*配偶者に給与収入があれば個人単位で記入します(キャッシュフロー表)。パートなどで給与が上がらない(時給で働いている)場合が多いので、直接キャッシュフロー表に入力します。
その他の収入(キャッシュフロー表)・・・学資保険の満期金、養老保険の満期金、退職金などがここに入ります。
支出
生活費・・・年間の生活費です。食費、光熱費、おこづかい、実家の帰省費用などなど住居費と子どもの教育費以外の支出はこの生活費に入ります。これも物価の上昇を考え、1~2%の増加率をいれます。収入とちがい、支出は増加率を高めに考えます。
住居費・・・賃貸であれば年間の家賃の合計、2年ごとに更新料がかかる場合はそれを2年ごとに入れてください。持ち家の場合、住宅ローンのほか、固定資産税などもここに含めます。固定金利の住宅ローンであれば返済額は変わらないので増加率は0%ですが、マンションなどで、管理費や維持費が上がっていくような場合は、別の枠をつくりそこに増加率をかけてみてください。
養育費・・・子どもの学費、習い事、その他などがここに入ります。中学校、高校は公立、私立の違いにより数百万円単位で数字が変わりますので、ご家族で進路についてよく話しあってみてください。
保険・・・年間の保険料です。生命保険、損害保険などです。保険料は基本的に毎年変わりません。注意をしなければいけないのは、子どもの学資保険などは満期がくると保険料の払い込みがなくなります。その後の保険料の減額を忘れないようにしてください。
年間収支と貯蓄残高は自動的に計算されます。貯蓄残高も今であれば1~2%程度の増加率でよいと思いますが、ここもあまり高い設定にしてしまうと誤差が出てしまうので、低めに設定をしておきます。
キャッシュフロー表
各イベントについては別ページで詳細を説明します。
結婚費用・出産費用
住宅購入費用
保険の費用
この記事を書いた専門家
中島FP事務所「家計と育児の相談室」
なかじまともみ
CFP
1級FP技能士
保育士
幼稚園教諭
得意分野
・ライフプラン全般、FPの試験対策